河野葵
恋のかけら | 日高陽子 |
斎木悠は幼い頃から人と打ち解けない子供だった。 彼にとって、心を許せるのは母親の佳織と飼い猫のホーだけで、現実は彼を傷つけるものでしかなかった。 そんな悠が、学校の図書室で偶然みつけた手紙。 宛名も差出人もないそれには、切ない想いが綴られていた。 そして、再び図書室を訪れた悠は、同じその場所で“シン”と呼ばれる生徒と出会う。 どこかホーを思い出させる、長身の上級生―まさか、あの人が手紙の持ち主?でも…。 初めて現実の世界の住人に心揺れる悠だったが…。 密やかで烈しいイノセント・ラブ。 |